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稲沢市の高齢化社会と老老相続の課題は?不活用資産を防ぐ生前対策を解説

相続

安達 治彦

筆者 安達 治彦

不動産キャリア30年

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相続で受け継いだ大切な資産が、次の相続でもまた高齢者へと引き継がれ、気付けば使われないまま眠っている。
そんな老老相続や不活用資産への不安を、身近な問題として感じていませんか。
推計では、2035年には日本の金融資産の約70%を60代以上が保有するとされています。
つまり、これからの相続では、高齢者から高齢者へと資産が移転し続ける時代が一段と進みます。
その結果、不動産や預貯金が動かず、空き家や空き地、手つかずの口座として残ってしまうケースも少なくありません。
しかし、考え方と準備を少し変えるだけで、こうした不活用資産のリスクは軽減できます。
本記事では、老老相続で起こりやすい問題点と、元気なうちに始められる具体的な対策について、分かりやすく解説していきます。


稲沢市でも進む高齢化と老老相続のいま

稲沢市では、総人口に占める65歳以上の割合が約3割に達しつつあり、今後も上昇していくと見込まれています。
国の将来推計でも、日本全体の高齢化率は長期的に上昇し、地方都市ほど高齢化の進行が速い傾向が示されています。
こうした中で、親世代だけでなく子世代も高齢期に入った「高齢者世帯」が増え、親子ともに年金生活という世帯構成が珍しくなくなっています。
結果として、相続の場面でも、高齢の親から高齢の子へと資産が引き継がれる老老相続が起こりやすい土台が整いつつあるといえます。

日本全体でみると、家計の金融資産は現役世代よりも高齢層に偏っており、55歳以上の世帯で金融資産全体の7割以上を保有している状況が確認されています。
また、内閣府などの資料では、今後も高齢世帯の金融資産保有割合が高い状態が続くと見込まれており、2030年代半ばには60代以上が日本の家計金融資産の大部分を保有する構造が指摘されています。
稲沢市のように高齢化が進む地域では、高齢者自身が多くの預貯金や有価証券を抱えたまま年を重ねる傾向が強まりやすいと考えられます。
その結果、相続の場面でも、資産が若い世代ではなく、同じ高齢者層の中で移転し続ける状況が生まれやすくなっています。

老老相続が増えると、不動産や預貯金が「守ること」を優先して動かなくなり、地域や次世代に循環しにくくなることが問題になります。
高齢の相続人は、健康状態や判断力の不安から、大きな資産の運用や処分に踏み出しにくく、そのまま先送りにする選択をしがちです。
その結果、居住していない不動産が空き家や空き地のまま放置されたり、預貯金が生活に十分活かされないまま凍結に近い状態になったりするおそれがあります。
こうした不活用資産は、将来の相続のたびに処理が複雑化し、結果的に稲沢市の地域全体にとっても負担となる可能性が高まります。

項目 全国の傾向 稲沢市で想定される状況
高齢化率 65歳以上が約3割 今後さらに高齢化進行
金融資産の保有層 55歳以上で7割超保有 高齢世帯に資産集中
相続の主体 高齢者から高齢者へ相続 老老相続の増加懸念
資産の動き方 預貯金・不動産が停滞 不活用資産として残存


老老相続で起こりやすい「不活用資産」の具体的なリスク

まず考えられるのは、相続した不動産がそのまま空き家や空き地となり、活用されないまま年月だけが過ぎてしまうリスクです。
総務省「住宅・土地統計調査」では、全国の空き家数が長期的に増加傾向にあり、特に相続をきっかけに発生した空き家も一定数含まれていることが示されています。
また、国土交通省の空き家所有者実態調査でも、空き家を「特に利用する予定はない」とする回答が一定割合を占めており、固定資産税や維持管理費だけを負担し続けるいわゆる「負動産」となる危険性が指摘されています。
老老相続では、相続人自身も高齢であるため、このような不活用状態が長期化しやすい点が問題です。

次に、高齢の相続人が不動産の管理や処分の判断を先送りにした結果、所有者不明土地や相続登記の遅れといった課題につながる恐れがあります。
政府広報などで紹介されている国土交通省の調査によると、全国の土地のうち登記簿だけでは所有者の所在が分からない「所有者不明土地」は約2割に達しているとされています。
さらに、法務省は所有者不明土地の発生要因のおよそ3分の2が相続登記未了にあると示し、相続登記の申請義務化を進めています。
老老相続では、健康状態や判断能力の低下により手続を先延ばしにしやすく、その結果として名義が整理されず、次の世代が利用や売却を検討するときに大きな障害となる可能性があります。

また、相続した不動産や預貯金が「使わないまま」「動かないまま」長期間とどまり、老後の生活資金や介護費用に十分活かされない問題も見逃せません。
内閣府「高齢社会白書」では、高齢者世帯が比較的高い水準の金融資産を保有している一方で、その多くが預貯金として眠っている実態が報告されています。
加えて、財務省の資料では、認知症などにより本人の判断能力が低下すると、金融資産が実質的に凍結された状態となり、必要な時に取り崩せないケースが増えると分析されています。
老老相続で資産が高齢者から高齢者へと移るだけでは、生活の安心に資する形で資産を活かしきれず、介護サービスの利用や住み替えの選択肢が狭まるおそれがあります。

不活用資産の状態 想定される主な負担 老老相続で起こりやすい点
空き家・空き地の放置 固定資産税や修繕費負担 管理や処分の先送り
登記や名義整理の遅れ 所有者不明土地化の懸念 手続き負担への不安
金融資産の長期滞留 生活費や介護費の不足 判断能力低下で資産凍結


稲沢市で老老相続・不活用資産を防ぐためにできる生前対策

老老相続や不活用資産を防ぐためには、まず元気なうちから相続に向けた準備を進めることが大切です。
具体的には、自分の意思を明確にする遺言書の作成や、家族全員で資産の内容と将来の希望を共有する話し合いが有効です。
国土交通省の調査では、相続前に被相続人との話し合いなど何らかの対策を行っていた世帯は全体の約2割にとどまり、多くの家で準備不足が指摘されています。
そのため、稲沢市でも「まだ早い」と考えず、早い段階から家族で話し合いの場を持つことが、不活用資産を減らす第一歩になります。

次に、不動産や預貯金などの資産について「使う」「残す」「手放す」の整理を早めに行うことが重要です。
資産の中には、自宅として今後も利用するもの、将来子や孫に引き継ぎたいもの、維持費や管理負担だけが増えるものが混在している場合が多く見られます。
特に、維持管理が難しい建物や利用予定のない土地を放置すると、空き家・空き地となり、結果として不活用資産や所有者不明土地の一因となるおそれがあります。
こうした観点から、資産ごとに役割と今後の方針をはっきりさせておくことで、老老相続になった場合でも、次の世代への承継がスムーズになりやすくなります。

さらに、相続登記の義務化や空き家対策の強化といった国の制度変更を踏まえた具体的な行動も欠かせません。
相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが法律上の義務となり、正当な理由なく怠ると過料の対象となる可能性があります。
また、相続した空き家を適切に管理しつつ譲渡した場合には、一定の要件を満たせば譲渡所得から3,000万円を控除できる特例も、期間を延長したうえで継続されています。
稲沢市で将来の負担を軽くするためには、名義の整理や相続登記の早期申請、空き家となり得る不動産の利活用や売却の検討を、元気なうちから計画的に進めておくことが重要です。

生前対策の項目 具体的な内容 期待できる効果
遺言書と家族会議 資産内容共有と分け方整理 相続トラブル予防
資産の仕分け 使う残す手放すの区分 不活用資産の縮小
名義整理と登記 相続登記と名義人統一 所有者不明土地の防止
空き家対策の検討 売却や利活用の計画 維持費負担の軽減

稲沢市の高齢者が安心して資産を活かすための相談の進め方

まずは、自分や配偶者、子どもの年齢や健康状態、収入源などを紙に書き出し、現在と今後の暮らし方を整理することが大切です。
特に、高齢者世帯では金融資産や不動産が高齢層に偏っている傾向があり、使われないまま相続が繰り返されるおそれがあります。
内閣府の高齢社会白書でも、高齢者世帯の金融資産保有額が他の世代より大きいことが示されており、資産の動きにくさが課題とされています。
このような実態を踏まえ、自分の世帯が老老相続や不活用資産に陥りやすいかどうかを、早い段階で確認しておくことが重要です。

次に、不動産や預貯金、保険、証券など、資産の種類ごとに「現状把握シート」を作成すると整理が進みやすくなります。
たとえば、不動産であれば所在地や利用状況、固定資産税の負担額、維持管理の手間を一覧にすることで、今後も自分で使う資産か、将来手放すことを検討すべき資産かを判断しやすくなります。
国土交通省の空き家所有者実態調査では、高齢の所有者が遠方や管理負担を理由に空き家化させている事例が多いことが示されており、早期の整理が負担軽減につながるとされています。
資産を「手元に残すもの」「早めに活用・処分するもの」に分けて優先順位を決めることが、老後の安心につながります。

さらに、老老相続や不活用資産への不安がある場合は、一人で悩まず、早めに専門家へ相談することが重要です。
財務省や国土交通省の資料では、所有者不明土地や相続登記放置が全国的な課題となっており、相続登記の義務化など、制度面の見直しが進んでいます。
こうした制度の変化に対応するためにも、相続や資産活用の相談を通じて、名義の整理や売却・賃貸・有効活用などの選択肢を一緒に検討してもらうことが有効です。
老後の生活設計と資産の使い方を一体で考えることで、不活用資産を減らしつつ、介護や医療など将来の費用にも備えることができます。

段階 主な内容 確認のポイント
暮らしの整理 家族構成と収支把握 老老相続の可能性確認
資産の棚卸し 現状把握シート作成 残す資産と手放す資産
専門家への相談 相続と活用方法検討 名義整理と将来負担軽減

まとめ

老老相続が進むと、不動産や預貯金が「持っているだけ」の不活用資産になりやすく、老後の生活や介護費用にも影響します。
一方で、元気なうちに話し合いや遺言書作成、資産の棚卸しを行えば、将来の不安や家族の負担を大きく減らせます。
相続や空き家、名義整理について少しでも気になる点があれば、お一人で悩まず、当社へ早めにご相談ください。
お客様の年齢や家族構成に合わせて、分かりやすく丁寧に、安心できる資産の活かし方をご一緒に考えます。

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